技術を食い物にした話

そういえば、書いてなかったな…と思って、残しておくことにする。

よく開発・プロダクトにして売買するの凄い、という話があったりするけど、お金に還元されないと価値は無いのか?というと、もちろんそうでは無いですよね。お金にするという選択もあり、それ以外の方法もある(技術を食い物にする)という事を少しばかり。

■ モノと経緯

数年前にRealSenseの変換アダプタを制作した。
Intel RealSense USB 3.0 original board

TMCN USB 3.0変換ボードと書いてある通り、コミュニティと人の繋がりで出来た物だった。USB 3.0の導体をひっぱり出して、検証した内容はこちら。
TMCN Intel RealSense USB 3.0 original board

elecrowで作って動作確認・公開したところ、色んな国・人からのコメントや「欲しい」というリクエストがあった。どうやら中古PCをバラして、内臓されているRealSenseを使うというニーズや、単品で怪しく出回っていた(今はaliexpress で検索すると色々と出てくる。当時は無かったと思うけど…)。

欲しいと個別にコンタクトしてきて、BOM/Circuitを送ったり公開して、自分で作れるようにした。それでも欲しい、お金出すから送ってというリクエストもかなりあった。

■ 物々交換

確かにお金のやりとりで送るというのもアリなのだけど、採った選択は、
「お金はいらねー、モノは送るから、あなたのお国の美味しい物を送ってきて」
という事にした。お返しの物は何でもOK。お菓子でも特産品でもお酒でも何でもね。

モノとモノの交換。しかも会った事もない海外の人と
ぶっちゃけ欲しい人からしてみたら、お金で済むならそれが一番早いんだろうけど、「食い物が欲しい」とか何言っちゃってんだこいつ?と思っただろう。

■ 送付

欲しいと言われて、色んなお国・人に送りました。
US、Canada、French、Italy、England、Ukraine、Switchland、Chinaあたりかな。カナダに送った時はお返しにサーモンでも来ないかしら。。。と期待したり、送るときのテンションはかなり高くなった。

ちなみに国際便で送るとき、一番お手軽で安く済むのは国際eパケットライトだと思う。Webで発送先を書いて、持っていくだけ。お値段もめちゃくちゃ安いし。

こんな感じでJPのWeb上で送り状を書いて持っていけばOK。基板と接続用のケーブルを送ったりした。
ただ、ルーチンで同じ物を送るのも面白くないな。。。と思って「これ日本で超流行ってんだぜ!!」とダイソーのクラッピーを同梱したり。

安いESPを使っているとか言っていたから、手持ちで全然使わないESP 12F(aitendoのブツに接続)を同梱してみた。
他にもLEDを詰め込んだりもした記憶がある。深い意味は全くない。なんかあった物を一緒に詰めてみた..というだけ。送料も全然変わらないからね。

■ 結果は…

本当に送ってきます。まじで。

カナダからはサーモンを期待したけど、お菓子だった。

ウクライナからもお菓子だった。

なんとイギリスからはウイスキーのボトル1本(一人で全部飲みました)

他にも写真を撮り忘れたけど、パンに塗って食べると劇ウマだぜ!!と言われた発酵物(ほんと数年前の事だから忘れた。。。)とか、生物を送るのはヤバいからお菓子にするわ、とかで色々と送ってきてくれた。結果として、お金や売り物にしなくても、技術を食い物にできた。
思った事としては、

・ネット上だけで会ったことも無い人
・主に海外の人たちがお相手
・ネットから生まれるコミュニティや人との繋がりめちゃ大切
・モノ(技術)の価値はお金以外にも還元可能

blogに欲しいと書き込んだのをトリガーに、会ったことも無い海外の人とモノを送って物々交換は成立する。
いまはコロナで実際に会うというハードルが高くなってきている中で、ネット上で技術をベースにした交流やつながりは沢山ありますね。
そして、必ずしも何かを作ったらお金に還元しないとダメという事は全くない訳で、コミュニティや人とのつながりの大切さ・物々交換という方法だってあるんだよ、という事は強く思っていることでもありますね。

「技術を食い物にした話」への1件のフィードバック

  1. YouTube黎明期にオランダのある大学生から[差し支えなければその作品に使われている素材を教えてもらえますか?]という問い合わせがきたときの感動を未だに忘れられない。
    名産を頼めばよかった…読んでいて思いましたw

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