IoT的価値

来年は更にネットにつながるデバイス、いわゆるIoT端末というのが溢れてくると思われる。開発を行う拠点も、DMM.make Akiba品川産業支援交流施設SHIPTechshop(富士通)とか出来てきている。

モノ系スタートアップの支援や、Yahoo Japanも電通もIoTと言っている状況で、周りをざらっと見た感じだとIoTと言っている所が非常に多い。けど、ぶっちゃけ実際のモノ、IoTデバイスというカテゴリに類するもので出回っているのはまだそんなに無い。まさにこれから産声を上げていくといった感はある。

■ モノの価値
先日の展示で見せてきたポスト君もそうだし、AccessさんがBeacon端末を無料で配るというのもだけど、いわゆる原価がいくらで実際の売値がいくら?というのは、非常に考える点が多いと思っている。ネットに接続してあれこれやる、いわゆるIoTデバイスは、

・モノ
・ネットワーク
・サーバ

といった所がプレイヤーとして出て来る。ここで、モノは現物で売値がいくら?という点があって、ネットワークはWiFi/BTを使えばOK、そして最後のサーバ(WebAPとか)は何気に効いて来る。今までのモノは売っていくら?だったのが、そこにランニングとしてのサーバやWebAPが継続して乗ってくるわけで、いつまでサポートするの?サービスの継続期間は?とか考えると、初期の売値で回収すんの?売切りで良いの?って気がするわけで。モノの価値というのは、サービスのランニングも込みで決めないといけない。

■ モノは激安、広告・月額いくら?
初期の価格にサーバとかのランニングも載せるというのは現実的ではないし、じゃあどうすんの?というと広告やアプリを介してサービスを利用する時に月額課金といった方法が考えられる。そして初期のモノの値段は激安で。原価がいくらだから最低限この値段で売らないと採算が…というのはいわゆる旧来の売り方から考え方が抜け切れていないと思っている。

そう、IoT、Internet of Thingsというネットのサービスを利用するのに、原価がいくらで?というのは要素の1つとして考えられる訳だけど、ネットサービスなのにそっちは考えてないの?というかサービスで対価を頂くんだよね?という点が抜け落ちているよーな気がする。

■ ネット・Webとの連携
モノを作るときはメーカー寄りの人だったり、実際にモノ作りに携わっている人との関わりが多いけど、IoTというシーンではネットやWeb側の広告や月額いくら?でサービスをやっている方との連携が必ず必要になる。それはモノの価値、値段決めという点においても。原価がいくらだから、この値段で売らないと…というよりも売値は押さえて、サービスで対価を頂くモデルが主流になると思う。

モノとサービスが主体になるIoTという形態では、作り手と同じくらいネット・Web側との連携、サービス作りが大切になると考えている。ネットにつながるからIoTデバイスで…というんじゃなくってね。サービスを提供して利用者にどんなメリットが?そして、その対価としてのサービス利用料や広告を出させて頂くといった、ネット・Web側で培われてきたノウハウというのが一体となって実現するのがIoTなる物だと考えている。

(追記) 上記のような、サービスモデル以外にも、Web側のデータ保全やIoT的端末からアクセス集中した時の冗長化、システムを落とさない為の運用…etc とか端末/ハードとは違う、ネット側で培われた知見は必要になってくる部分と思っている。ハードだけでもなく、Web側・ソフト側…といった様々な要素が必要になるでしょう。それはWeb側のサービスと、現実世界にあるモノとして使う人への最終的な価値の提供といった側面に反映されてくる部分でもある。
あと、このIoTというバズワードが自分的にWeb2.0とかビックデータといった歴代のバズワードに比べて現実味を帯びているのは、Web/ネット上の状態を表した言葉じゃなく、現実世界にあるモノ、目の前に現物として存在している状態という所が大きいような気がしている。

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